Release date : Oct 20. 2001
海洋堂
海洋堂のARTPLA SCULPTURE WORKSというブランドで「エヴァンゲリオン2号機獣化第2形態ザ・ビースト“ジオフロント血戦”」が2023年9月30日に発売されました。
様々な造形作家がエヴァンゲリオンに挑むなか、この商品では吉良かずやさんが担当されました。この次には松村しのぶさんが造形した「エヴァンゲリオン初号機」が2023年11月に発売予定です。
同じポーズの2号機のレジンキットはもともと38,500円、初号機のほうは151,800円でしたので、それそれが7,150円で購入できるのは嬉しい限りです。2号機のレジンキットは違いますが、初号機のほうは彩色済ですので、これを自分で着色していくのは敷居が高いと言えます。
プラモデルとしてのランナー数は左の写真の通りで、それほど多くはありません。むしろこのパーツ数は出来るだけ色別に分割してくれているもので、マスキング作業に翻弄されるのが軽減されます。また分割することで部品の一つ一つの大きさを抑え、また組み立てることで完成後の強度を保つ意味があるとか思います。
取り扱い説明書にはそれぞれの場所の色指定がありますので、かなり色の再現が可能かと思いますが、指定塗料がクレオスのMr.カラーとなっています。エヴァンゲリオンのプラモデルと作られた方にとってはガイアノーツの「エヴァンゲリオンカラー」をご存じかと思います。「こっちを使って着色したい」と言う方はそれも良いかと思います。最終的には「自分好み」に作るので一番です。
製作⑥
左腕、サクッと組み立てました。右腕を塗装してから間隔を開けてしまったので色の調合をするのに苦労しました。こういう同じ色は一度に塗装するべきですね。つい、頭部を作りたくて順番を変えてしまいました。
第10使徒の頭部に爪を突き立てて、グイっと伸ばしたこの左腕はかっこいいですね。撮影はスマホでしているので自動的に左腕に焦点が合っていて顔がぼやけていますが、左腕のカッコよさを見せるのにはこれでいいかな。
ところでこの連載で「第10使徒」と言ってきてしまいましたが、それだとTV版の第10使徒サハクィエルになってしまいますね。第14使徒ゼルエルだとすると2号機の頭部が新劇場版仕様になっているので、正確には「第10の使徒」になるかと思います。以降は「第10の使徒」で統一します。
この第10の使徒の頭部に爪を突き立てている部分に血飛沫塗装をしている作例があります。これは悩むところですね。実際のところ、新劇場版の使徒はコアを破壊されると赤い液体と化します。これは血ではなく「LCL(エルシーエル)」という設定のようです。LCLは「生命のスープ」と呼ばれるリリスの体液。セントラル・ドグマに磔にされているリリスはこのLCLを大量に流し続けています。これをパイロットが搭乗しているエントリープラグ内に流し込むんですから考えるとえぐいですね。なお、使徒が倒されて「赤い液体」になるのは「形象崩壊」と呼びます。LCLの正確な名称は「Link Connected Liquid」文字通りに「つなぎ合わされた液体」です。じゃあ何がつなぎ合わせているかといえばコアです。そう考えるとコアが破壊されていない限り、使徒はその形状の一部か破壊される、もしくは分離してしまった肉体の一部であっても形象を維持し続けると思います。ましてやLCLが形象化した肉体の中には人間でいう「血液」はないのでは? ですから使徒が損傷によって血を流すことはないかと。しかも台座となっている「第10の使徒」はまだ形象を保っていますし。ですからカッコよいのですが、今回は「血飛沫」は封印です。
結局、右足裏のE-15パーツが見つからなかったのでパテで作ります。ほぼ隠れる部分なのでそんなに神経を払って作らなくてもよいのでそうしてしまいます。使用するのはタミヤ・エポキシ造形パテ(速硬化タイプ)、白とオレンジのパテに分かれていてそのままにしておけば開封しても硬化しません。この2種類を混ぜ合わせると硬化が始まると言う便利グッズです。写真の白のほうは指先の塗料が混ざって汚くなってしまいました。
やわらかいうちに詰め込みに使用したり、少し硬化してから造形をしてみたりとスクラッチをするには使いやすいパテです。実際には細かい部分や合わせ目消しなどではタミヤのラッカーパテのほうが使いやすいのですが、例えば「プラモデルのランナーを軸にして右腕をフルスクラッチする」といった場合にはラッカーパテよりもこちらのほうが造形しやすいです。更に「肌理が細かいほうが。」という場合は「高密度タイプ」もあります。何にしろタミヤさんはモデラーが欲しいと思う物を商品にしてくれます。
あらかた組み上がったところの全身像です。右足裏のパテは硬化してからデザインカッターで整えます。やっぱりこのワイルドなポーズはいいですよね。部分的な塗装をこれからしていきますが、だいたい塗装は完了しています。
ガンプラではモビルスーツということで平面部分が多いですね。ジオン軍系MSでは曲面のパーツもありますが、それでも「しわ」もしくは「筋肉の起伏」といった凹凸はあまり無いので、逆に影や雨跡、砂埃といったウェザリングをしますが、この2号機についてはモールドでかなり凹凸があります。そのため自然に影が発生する部分が多いです。足のつなぎ目部分なども深くなっているのであまり墨入れを濃くしなくてもいいかな。特に全方位から見て楽しむ場合、ある一方からのシャドーは見る方向を決めてしまう場合があります。この2号機に関しては「ぐるりと全身を見て楽しむ」ほうがいいかなと思いますので、あまり強い影は付けないようにしたいと思います。
詳しく紹介し忘れてました。この型の部分。マークを中心に黄色く塗っています。この写真ではまだ塗り漏れがありますね。ここの色は迷わずエヴァイエローにしました。思い切って下地に黒のサフを振ってから塗るのもよかったかもしれません。塗料が薄い部分は下地の黒を感じられて陰影になったかも。ただ、このプラモデルの下地感が透けて見える感じもいいかもしれません。
何しろ、一度で塗り切るのではなく、きちんとモールドを残しながら「乾燥しては薄く塗り」を何度か行ったほうが良いです。
特にガイアノーツの塗料は感想が早く、場合によってはふたを開けたままの瓶の中の塗料も若干、粘度が高まることもあります。取り皿などに出すのも少しづつ出して使い切ったらまた瓶から取り皿に出すのを繰り返したほうが厚塗りを防ぐ方法です。
水性クリアを吹いて今の塗り具合を保持したなかで重ね塗りをするのもよく使われる方法ですが、このプラモデルではそれではモールドを消しかねないと思いましたので止めておきました。
購入した時には「目を光らせたいかな」とも思ったのですが、開封してパーツを見てみたら頭部はかなりぎっしり埋まっていたので断念しました。ですが、「光るのもいいな。」と。ユニコーンガンダムでLEDもセットで組み立てるプラモデル・キットは光らせるとやっぱりかっこいいです。ただ、光らせることを前提に部品が「透明プラ」になっている場合、消灯時に色が無くて「残念。」となることもあります。
今回は目の部分についてはメタリックグリーンで塗装した上にガイアノーツの蛍光イエローグリーンを被せました。
ここで「蛍光」と「蓄光」の選別があります。蓄光では同じガイアノーツで「蓄光エヴァネオングリーン」という商品があります。これもブラックライトを当てると反射して光ります。ですが、この塗料はかなり肌理が粗く、とても粘度が強い商品です。なかなか「薄く、広く」という塗り方が未だに出来ていない塗料です。上手い人は使いこなすんでしょうね。それに私の感想ですが「蓄光」という割には暗い所に持って行ってもあまり光らない印象があります。腕時計の針が暗い所で光る印象とはやや違うかと。上手く使うと面白い商品だと思いますが、ただこの塗料は「初号機のグリーン部分」の色合いに合わせています。ですから塗り終わるとパステル・グリーンになります。
イメージとしては2号機の目はメタリック・グリーンなので元の色をきちんと残したうえでブラックライトを当てると光るようにするために同じガイアノーツの「蛍光イエローグリーン」にしました。ガイアノーツの蛍光塗料は「ブルー」「ピンク」「レッド」「グリーン」「イエロー」「オレンジ」「イエローグリーン」「ブルーグリーン」そして「クリア」があります。このなかで「クリア」は『見る角度や光の屈折によってホログラムのような輝きを見せる不思議なクリアーです。:引用先-ガイアノーツHP』しかもブラックライトを当てるとブルーに光ります。なんで「イエローグリーン」を持っているかというとガンプラのメインカメラなどや、覚醒状態のユニコーンガンダムのサイコ・フレームに使用するために購入したからです。「クリア」という商品と同様に「イエローグリーン」もクリア系塗料ですので通常時のメタリックグリーンの色をあまり変化させずに使えます。(あまり厚く塗ると下地のメタリック感が薄れます。)
まぁ、手に取って眺めてみる際に片手にブラックライトを持って当てながら鑑賞するのも楽しいですね。
追記
さて、制作もかなり終盤に差し掛かってきました。いよいよ楽しみにしてきた「制御棒」に取り掛かります。
前回でも触れたかと思いますが、やはりガイアノーツのエヴァ塗料はどうしてもしっくり来ます。ガイアノーツは「ボトムズ」「ダグラム」といったプラモデル商品用の塗料も販売してますね。「聖戦士ダンバイン」カラーが発売された時には使う予定がないのに購入してしまいました。まぁ、タミヤやMr.カラーでも戦車や戦闘機などで国別、機種別での色、また車での車体別の色など本当に細かく商品を販売しているので、使う側からすれば嬉しい限りです。
特にタミヤのエナメル塗料はプラ素材に直接塗ると素材に浸透しすぎてプラ素材を割ってしまう危険性が高いのですが、部分塗りという塗り方については特化していると思います。流石は老舗ですね。全体塗装後の部分塗りを考えて、あの小さな瓶で売ってるんでしょうね。
ところで「機動戦士ガンダム 水星の魔女」の放送が始まった際にエアリアルを作りましたが、放送が終わってしまった後でもエアリアル改修型、キャリバーン、シュバルゼッテを作ってみました。非常に作りやすく、色分けもきちんとされていて、かつ合わせ目が目立たない。しかもヘタリや塗料弾きがあるポリキャップを使わないのは、初期からガンプラを作ってきた者としては「今の子にとっての、これが今のガンプラなんだな。」と思いました。
ただ、それで満足できずに塗料の実験台になってます。特にGSIクレオス Mr.クリスタルカラーは素敵ですね。「ダイアモンドシルバー」を塗布してキャリバーンを手にすると、角度によってパール色が輝きます。シュバルゼッテはガーディアン内部のシェルユニットにプラスチックシールを貼り付けていますのでこれ自体が角度を変えると色の変化が楽しめますが、本体にサファイアブルーを塗ってみましたので角度によって青く輝くのは本当にいいです。使用するにあたってはエアブラシがいいですね。筆塗りだと塗装の厚みの差が輝く際に変に目立つように思います。ただ、メタリック系の塗料をエアブラシに使用するのはいつも躊躇いますが。それと乾燥すると色合いが強くなります。塗装時に「やや物足りない」と思ってもきちんと乾燥させてから二度塗り、三度塗りをすると、より良い色を掴めるとお勧めします。
この2号機が終わったら、機動戦士ガンダムUCのBlu-ray Box[初回限定生産]を購入した際に同梱されていて、ずっとほったらかしにしていた「RG 1/144 ユニコーンガンダム ペルフェクティビリティ 付属版」を製作したいと思います。「GSIクレオス Mr.クリスタルカラー:サファイヤカラー」を上手く使って角度によって「サイコフレームの青い輝きに照らされる白い本体が淡いブルーに染まる」のが再現できそうです。こちらもここで投稿できましたら行っていきたいと思います。
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