Release date : Jun 1, 1999 IMAGE COMICS | |
SPAWN:THE DARK AGES #4 | SPAWN #84 |
SPAWN→SPAWN THE DARK AGES→CY-GOR 下段のクロスオーバー作品等を参照しても本編に戻れるようにしてあります。月内に刊行されたサブタイトルは順番にリンクしています。 |
SUMMARY :
Blood & Shadows – The guardian of the damned. On the site of an ancient burial ground sits a looming grey structure, whose tenants are each haunted by dark secrets that they can never reveal. Overwhelmed by guilt and grief, these people have been drawn by a nameless presence, and they now hide from society in their own self-made hells. And at the periphery of their awareness, an entity appears – a guardian of blood and shadows who watches… and waits. What does this entity know about each tenant, and what are his intentions for these hopeless outcasts?
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SPAWN blood & shadows
Sharing | Name |
---|---|
story | Paul Jenkins |
art | Ashley Wood |
lettering | Richard Starkings and Conictaft’s Oscar Gongora |
design | Brant Ashe |
SPAWN created by Todd McFarlane |
墓地に寄り添うように建つ薄暗い建物。そこに住む人々には何かしらの秘密を抱えていた。呪われた暗い秘密を抱えた人々は自らの罪の念に明け暮れる日々を過ごしていた。間断のない苦しみに責め苛まれる地獄に陥りながらも社会から逃げ隠れるようにそこに生活を見出していた。
そんな彼らの気付かぬところから見つめる者、血と影の守護者。
その存在は彼らの何を知り、どのように関わっていくのか・・・
まず彼らが住む建物はかつて精神病院だった古い家で。それ以前は、インディアンの墓地があり、初期のアメリカ入植者による大量虐殺の現場。この設定自体が陰鬱過ぎです。
上の文章は雰囲気で書きましたので簡単に物語を説明します。
女性警官リアは連続殺人犯を追跡しています。彼女は長年の恋人であるストリッパーのカミーユと同居している。だがストリッパーの恋人がいることは彼女としては隠しておきたいこと。そのことが発覚して警部補の座を失うことを恐れているのだ。そのため二人は彼女の管轄区域から遠く離れた場所に引っ越した。だが二人はかつて精神病院兼墓地だった古い家に引っ越してきて、そこで「変なこと」を感じる。
身を隠したい二人にとって都合のいいことに、そこに普通の人は住んでいなかった。
若い頃はアウシュビッツの悪名高い医師の愛人で、今は収容所のユダヤ人生存者のふりをしているグレタ、ギャングに入るための通過儀礼として善良なサマリア人を2人を殺し、罪悪感から逃れられないラファエル、男子生徒を溺愛していた元教師のサッター氏、麻薬常用者のジョニーとシンディ、放火が好きなロニーなど、この場所にはさまざまな人が住んでいる。
リアとカミーユはいつも口論ばかりしていた。一緒に住むことにしたのか不思議に思うほど。二人の喧嘩の最中のカミーユのセリフでは、二人は付き合って6か月なのに一度もセックスをしていないと明かしている。そして、リアは、横暴な母親のせいでコンプレックスを抱えている。
ここまで読んだ方はまぁ陰鬱を詰め込むだけ詰め込んで…と思うでしょうね。SPAWNはもう超越した存在で、人々の死後の運命を予言できる天国と地獄の天使になっています。はぁ~。物語をただ難しくさせているのがAshley Woodの画風。もうイラストレーターが自分の画風に酔ってしまって「コミックスでの絵とは物語を読者に伝えるためにツールのひとつ」であることを忘れて「こんな画風、素敵でしょ。」に走ってしまっては伝わるものも伝わらない。
さて、総括しましょう。
この古い家。かつて精神病院だったところで、それ以前は、インディアンの墓地があり、初期のアメリカ入植者による大量虐殺の現場。この設定、いらない。奇妙な住人達。放火が好きなロニー以外いらない。リアが警官で連続殺人鬼を追ってる。いらない。リアと彼女の母親。リアが若い頃に受けた違法な手術とかいらない情報。
SPAWNすらいらない。
リアはこの古い家に移り住む前から既に詰んでいる。恋人がストリッパーだとか、それを隠したいとか、そのことを隠したいがために古い家に移り住んだとか、そこに奇妙な住人がいるとか…
もうそういうこと全てがプラスに作用しようが、マイナスに作用しようが結末は見えている。もうリアを救うのは死しかない。そこでやっと役に立つのが放火が好きなロニー。この古い家に火を放つ。
Don’t be afraid. You are almost there. Don’t be afraid.
恐れるな。もうすぐだ。恐れるな。
SPAWNはAl Simmonsとは違うHellspawnなのではないか。リアの死に対してむしろその死をリアに受け入れるように促しているように思える。だからこそ、因縁を持つ家に移り住んできた恋人たちが自分たちの問題や周囲のことを含めて改善、解消することに期待してはダメ。もう全てがリアが死へと誘われるための段取りでしかない。
「SpawnのOne-shotを手がけてみませんか」そう言われたらなんとか爪痕を残そうとする。Todd McFarlaneもそういった点については結構、寛容だ。Ashley WoodにSPAWNを汚されているのを許すくらいだから。ある意味「SPAWNという題材を俺は作ったから、これを自分たちのキャリア・アップのために活用してみて。」というくらいの気持ちがあるのだろう。だだ、それが読者という存在に目を向けていない行為になっているのだが。
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