SPAWN

Al:Spawnは魔力を使うごとに第2の死に近づくことを知っていた。だが目の前には幾つもの問いが現れる。 陸軍が秘密裏に保管していた武器を手にしたAl:Spawnは久しぶりに快感を得ていた。 だが、記憶のフラッシュバックによって暗殺された瞬間のことが蘇り、衝撃的な苦痛が彼を襲う。 同じ頃、ワンダにもその場面が悪夢として伝わっていた。彼は誰かに暗殺されたのだ。 気になったワンダは翌日、この前訪れてきた白人男性(Al:Spawn)のことを調べていた。 彼が来てからアルの夢を見るようになった気がする。だが、彼が名乗った動物愛護協会には該当する人物はいなかった。

シチリアではマフィアが一人の男を呼び寄せた。男の名はOvert-Kill。全身を機械化したサイボーグ。 軍は一度はOvert-Killを退けたことがあり、その際に学んだ教訓を活かすべく重装備で兵を出動させるが、Overt-killの強大な力の前にはなすすべもなかった。その頃、ニューヨーク・マフィアのボスであるトニー・トゥイスト(Tony Twist)はテリトリーである路地裏に現れた謎の男の存在を知り、 部下に仕留めるように命令していた。

幼児殺しのビリー・キンケイド(Billy Kincaid)が釈放される。 27人もの子供を弄び殺したビリーだが、立証できた事件は1件だけで元々刑期が短かった。しかも6年半の刑務所暮らしの間、ビリーは模範囚だった。それが認められて刑期短縮となったのだ。ビリーの息の根を止められなかったことはAl:Spawnにとって汚点のひとつでもあった。

自分を襲ってきたViolator、その存在は自分の狂った境遇に怒り心頭だったAl:Spawnの心に火を点けた。魔力を振るい、Violatorの胸に大穴を開けたAl:Spawnだったが、反撃を受け左手をもぎ取られる。

Wanda！ Al:Spawnはまた一つ記憶を取り戻した。ワンダ・ブレイク、それが妻の名だった。 だが妻の顔が思い出せない。 しかも５年の月日が流れて奇妙な姿に再生された自分が歓迎されるか？ Al:Spawnは答えを知るのが怖かった。 ここに来れば何かが判る。 Al:SpawnはCIAのニューヨーク本部に忍び込み、妻のファイルを手にする。

妻に会いたいが、名前すら思い出せない。ましてやこんな姿では会うことは出来ない。 思い悩むAl:Spawnはふと与えられたパワーのことを思い出した。 意識を集中して人間の姿に変身してみるも、元の自分とは似ても似つかぬ白人男性の姿になっていた。 ああ、なんていう境遇だ。私は黒人だ。 そこにまた記憶のフラッシュバックが彼を襲う。

何故、私は再生を望んでしまったのか。 断片的な記憶が再生する。英雄としての自分。最期の瞬間。 きれいな女性の姿。 そう、彼女にもう一度会うために、奴の申し出に応じたのだ。