Release date : Oct 12. 2001
海洋堂
海洋堂のARTPLA SCULPTURE WORKSというブランドで「エヴァンゲリオン2号機獣化第2形態ザ・ビースト“ジオフロント血戦”」が2023年9月30日に発売されました。
様々な造形作家がエヴァンゲリオンに挑むなか、この商品では吉良かずやさんが担当されました。この次には松村しのぶさんが造形した「エヴァンゲリオン初号機」が2023年11月に発売予定です。
同じポーズの2号機のレジンキットはもともと38,500円、初号機のほうは151,800円でしたので、それそれが7,150円で購入できるのは嬉しい限りです。2号機のレジンキットは違いますが、初号機のほうは彩色済ですので、これを自分で着色していくのは敷居が高いと言えます。
プラモデルとしてのランナー数は左の写真の通りで、それほど多くはありません。むしろこのパーツ数は出来るだけ色別に分割してくれているもので、マスキング作業に翻弄されるのが軽減されます。また分割することで部品の一つ一つの大きさを抑え、また組み立てることで完成後の強度を保つ意味があるとか思います。
取り扱い説明書にはそれぞれの場所の色指定がありますので、かなり色の再現が可能かと思いますが、指定塗料がクレオスのMr.カラーとなっています。エヴァンゲリオンのプラモデルと作られた方にとってはガイアノーツの「エヴァンゲリオンカラー」をご存じかと思います。「こっちを使って着色したい」と言う方はそれも良いかと思います。最終的には「自分好み」に作るので一番です。
製作③
この4点はボディの一部です。①と②で本体のコアとなります。この二つを合わせるとぐるっと合わせ目が発生しますが、ここにいろいろなパーツを取り付けることで隠れてしまいますので処理はしません。また今の段階ではチラ見えする部分が分からないので塗装は保留します。
③はホディ上部のもの。とりつけてみて表にみえるであろう部分は指定色通りにマルーンと10%つや消しブラック。それにスーパースムースクリア<つや消し>をごく少量を混ぜて塗装しておきます。
④は背中部分。マルーンで塗りました。ここは指定通りにつやありにしてあります。
ここは腰に取り付ける背中の部分。上記の④に繋がるものです。背中と同じくマルーンつやあり。それでこの中央の穴に2号機が暴走しない様に制御させる為の役割を持つ「制御棒」をボディから解放されて抜け出ているように突き立てるようになります。ですのでこの丸い部分は機械部品です。指定ではブラック。少しシルバー系を混ぜたくなりますが、ハイライトを「制御棒」にするためにはここをあまりシルバーにしすぎるとうるさくなって「制御棒」が活きてきません。「制御棒」の塗装をしてみたうえで仮組みで色合いを見たいと思いますので、ここはまだ塗装しません。
ここは腹部の側部のパーツ。指定色通りにマルーンと10%つや消しブラック。それにスーパースムースクリア<つや消し>を混ぜたもので着色。ここも筆塗り。なるべく薄く塗りながら、つや消しブラックを活かして陰影をつけました。組み上げてみて不足を感じたらタミヤの墨入れをして陰影を増やすか、もしくは濃い茶系の色を加えてみます。
ここは腹部の中央のパーツ。側部と同じようにマルーンと10%つや消しブラック。それにスーパースムースクリア<つや消し>を塗りながら陰影を残しました。最終処理待ちのものです。
ここは肩のパーツ。側部と同じように表面に出るであろうマルーンと10%つや消しブラック。それにスーパースムースクリア<つや消し>を塗りながら陰影を残しました。最終処理待ちのものです。
ここは股関節のパーツ。指定色通りにマルーンと10%つや消しブラック。それにスーパースムースクリア<つや消し>を混ぜたもので着色。ここも筆塗り。なるべく薄く塗りながら、つや消しブラックを活かして陰影をつけました。組み上げてみて不足を感じたらタミヤの墨入れをして陰影を増やすか、もしくは濃い茶系の色を加えてみます。
ここまでの塗装は一部、ニッパーで切り取ったものがありますが、ランナーから切り離さないままで塗装しているものも多いです。もしエアブラシで塗装するなら切り取りますが、筆塗りで、しかもゲート後が残らないようなパーツなら切り取らないままで塗ったほうが塗りやすいです。
エヴァの装甲部分ではエアブラシが登場すると思いますが、今のところは筆塗りで間に合っています。
赤サフ状態のプラモデルに白を塗るのはすでに爪の部分が苦労しましたが、あちらは範囲が小さかったので何とかなりました。顔の部分ですが、範囲が広いので一度、スプレー缶のホワイトを薄く塗ってみました。しかしかなり下地の赤が透けます。しかも右顔の部分のひびに塗料が埋まるのでそれを取り除きながら二度吹きまではしてみましたが、このひびからのふき取りが面倒なので筆塗りに切り替えました。
ホワイトがいい感じになりましたので、ひびの部分に墨入れを。まずタミヤの墨入れ:ブラウン。ちょっとインパクトが弱いのでダークブラウンで再度、墨入れ。
ただ二度の墨入れの余分な部分のふき取りでホワイトの部分で茶系の色が染みついてます。今日は時間が遅くなりましたので乾燥がてら作業中断です。古くなった骸骨だったらこのような茶もいいのですが、あくまでも活動途中の第10使徒なので、あまり古ぼけた雰囲気は好ましくないです。茶をうまく消しながらフラットホワイトで色を整えてみます。
ところで、一緒に掲示した取扱説明書のイラストを見ると、2号機の左手は第10使徒の顔に指先を突き立てた際に血飛沫を浴びています。ただ、プラモデルの作例ではそこまでの塗装はしてないですね。
もとはといえばこの作品はワンダーフェスティバル2021海洋堂ホビー館四万十での販売物でした。ここでの商品はレジンキットで無着色、購入者によって着色するものです。2022年のワンフェスでも販売されている中でずっと欲しかったキットでした。
2021北京WFでは清水ゆうこさんが塗装を施したものが限定品で販売されました。これを見ると左手と第10使徒本体に血飛沫が飛んでいます。
清水ゆうこさんの話では「エヴァ初号機はそのイメージカラーがあまりにも強いため、何か特徴的な表情を加えたくて筆に含ませた塗料をエアブラシのエアで飛ばす技法を駆使し、全身に金属色の塗料で凹凸を付けてみました。思わず触れてみたくなるのがポイントです。体表の情報量が多い分、色味は全体的にシックにまとめてみました。初号機と対になるよう2号機にも数か所に同じ技法を用いてありますが、脇腹の部分は表面を滑らかなままにして、背中に残る赤い装甲が溶けて伸びているようなイメージを表現しています。凸凹な面との対比を楽しんで下さい。背中から突き出た棒一本一本にも青緑の塗料の粒を吹き付けることで、複雑な光の反射を生み出し微妙な変化を付けています。」
これは「両面宿儺の指」クラスの特級呪物ですよねw 技量の差を見せつけられますし、どうしても真似をしたくなります。
頭部の白い部分も塗ってみた際にエヴァ・レッドも少し塗ったのですが、確かにアニメの弐号機らしくもあり、更にアニメチックでこのプラモデルにはやや明るくて軽く感じる赤でした。う~ん、このメタリックの赤はいいなぁ~。第10使徒のボディもつや消しブラック一色じゃなくてレイヤーをかけてるし。かなり迷ってしまいます。
追記
上記で紹介したものはこの写真のように一対になって販売されたものです。ここで今回の2号機について吉良かずやさんと上記の清水ゆうこさんの紹介をします。
原型制作 吉良かずや
海洋堂の関連会社 株式会社奇想天外に所属。カプセルフィギュアの動物や、生物アクションフィギュア「リボジオシリーズ」のオオスズメバチ・タガメの原型などを手がける、次世代を担う新鋭造形師。本作は『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』で獣化第2形態(ビーストモード)で野生の本能を開放したエヴァンゲリオン2号機と第10の使徒との激闘を表現している。
清水ゆうこ
1972年京都府生まれ。大学時代に日本画を専攻するも、爬虫類等の造形に興味をもち1996年に海洋堂へ入社。入社後すぐにアクアランドの塗装チームとなる。モチーフ本来の印象を忠実に再現する、職人気質の正確で丁寧な塗装で造形師からの信頼も熱く、生物系をはじめ、女性ならではの感覚を活かした、可愛い系の作品のペイントマスター(塗装見本)なども担当。ダイノテイルズシリーズなど恐竜や爬虫類系のシリーズでは一部原型も手掛けている。
このYoutubeのリンクは海洋堂公式チャンネルからのものです。
上記のYoutubeのリンクは海洋堂公式チャンネルからのものです。
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