Release date : Oct 19. 2001
海洋堂
海洋堂のARTPLA SCULPTURE WORKSというブランドで「エヴァンゲリオン2号機獣化第2形態ザ・ビースト“ジオフロント血戦”」が2023年9月30日に発売されました。
様々な造形作家がエヴァンゲリオンに挑むなか、この商品では吉良かずやさんが担当されました。この次には松村しのぶさんが造形した「エヴァンゲリオン初号機」が2023年11月に発売予定です。
同じポーズの2号機のレジンキットはもともと38,500円、初号機のほうは151,800円でしたので、それそれが7,150円で購入できるのは嬉しい限りです。2号機のレジンキットは違いますが、初号機のほうは彩色済ですので、これを自分で着色していくのは敷居が高いと言えます。
プラモデルとしてのランナー数は左の写真の通りで、それほど多くはありません。むしろこのパーツ数は出来るだけ色別に分割してくれているもので、マスキング作業に翻弄されるのが軽減されます。また分割することで部品の一つ一つの大きさを抑え、また組み立てることで完成後の強度を保つ意味があるとか思います。
取り扱い説明書にはそれぞれの場所の色指定がありますので、かなり色の再現が可能かと思いますが、指定塗料がクレオスのMr.カラーとなっています。エヴァンゲリオンのプラモデルと作られた方にとってはガイアノーツの「エヴァンゲリオンカラー」をご存じかと思います。「こっちを使って着色したい」と言う方はそれも良いかと思います。最終的には「自分好み」に作るので一番です。
製作⑤
口内部分です。後で組み立てたものを紹介しますが組み立てた後で塗装するのはほぼ無理です。外装部分はエヴァレッド、歯茎部分はマルーン、歯はフラットホワイトで塗りました。歯については重ねてつやありホワイトを部分塗装するのも面白いかもしれませんが、組み立ててみると意外とこの歯は小さいので、あまりつやの効果が分からないかもしれません。
こちらが頭部と首回りのパーツです。切り取ったものを紹介していますが、ランナーについたままで塗装をしています。
外装はエヴァレッド、頭部の角部分はエヴァオレンジ、舌はレッドを下地に暗い部分はマルーン、テカリはクレオスGXクリアルージュにしましたが、組み立ててしまうとあまり目立たないパーツです。
首の下の部分はマルーンを下地にMrウェザリングカラーのグランドブラウンを上重ねして塗装した後に専用薄め液を含ませた綿棒で陰影を残しながらふき取りました。
首の付け根は4 Artist markerのシルバーで発色が良い色合いにして周りの外装はエヴァレッドで。首の上側はフラットホワイト+少量のつや消しブラック+パープルでうっすらと紫色が残る程度に調整しました。タミヤの墨入れダークブラウンで墨入れしています。
目元から頭部裏側に繋がるパーツですが、外装部分はエヴァレッドとホワイトでそれぞれ指定部分を塗り分けて、目はメタリックグリーンに少しクリアグリーンを被せました。
いきなりですが、組みあがったものを紹介してます。
①下あごパーツの中に歯茎パーツを差し込む部分は少し押し込む必要があります。きちんと差し込まないと歯茎パーツが浮いてしまいますが、この際にピンセットなどを使って歯を避けて歯茎部分を押して差し込まないと歯が折れる危険性があります。注意が必要です。この左右の歯茎パーツを顎に組み立てた後に舌パーツを接着します。
下あごのホワイト部分は別パーツになっていますのでランナーについている状態でホワイトを塗っておくといいでしょう。はめ込むものではないのでアロンアルファなどで接着が必要です。
②目元からのパーツははまり具合が良く隙間もできません。接着は必要だと思います。
③角(鶏冠?)もはめ込みです。が、まず組みあがった顔を首に組み立てる際に少し力を入れて差し込まないとうまく差し込めません。少し差し込み部分をデザインカッターで削って差し込みやすくしました。
はめ込みが甘いわけでないようですが、頭頂部、頭部のホワイト、頭下部、そして首の上部にくっきりと合わせ目が発生します。ここまで塗装はしてありますが、それにこだわらず、ここはきちんとパテで埋めました。タミヤパテ(ベーシックタイプ)を使用。モールドがある首は左右のモールドの山を上手く繋ぎ、頭部はうっすらと乗せるように盛りました。頭部はきっちりとやすりの400番、600番、1000番で均しました。首に関しては金属製の丸やすりで上手く起伏を付けながら削ってます。
首上部は墨入れをしたうえでタミヤ ウェザリングマスターF チタンでハイライトをつけました。シルバーでの部分塗装よりもウェザリングマスターのほうがレイヤーをかけやすいです。
このような道具は100均の化粧道具売り場で5本100円などで売ってますので、買える時に買っておくといいです。(男性が買うのを恥ずかしがらずに他の買い物にサクッと紛れ込ませましょうw)
使い捨てにしなくてもウェザリングはむしろ色んな色が混ざってしまったほうが面白いこともあります。あまり濃い色を使用したブラシを淡い色を塗る際にはそれを避けたいですが、カッパーやライトガンメタルで使用したブラシでチタンを塗るのに使用しても意外と良い色合いになることがあります。
また、首の下部ではウェザリングマスターのG、Hのフィギュア用カラーを使って少し白身を付けました。肌色系のウェザリングのほうが下地のマルーンから離れ過ぎずにハイライトを付けられます。部分的に本体のエヴァレッドにもこれを使ってハイライトを入れてみました。
左腕はフラットホワイト+つや消しブラック+パープルを混ぜたもの。少しパープルを感じられて、かつ灰色系になるように調合しました。
腕の両側、二の腕部分はつや消しブラック。
肩の部分のマークはシールも付属されていましたが、上段:エヴァレッド、中央:つや消しブラック、下段:エヴァグリーンで塗分け。
肩本体はエヴァイエローで着色してあります。
追記
やっぱりプラモデルは作っている時が楽しいですね。楽しい部分をやりたくなって左腕を飛ばして頭部から首元、本体への取り付けを先にやってしまいました。ここまできて脇腹の拘束部を焼鉄色+墨入れ+ウェザリングマスター・チタンで仕上げたのが渋い感じになって収まっていてよかったです。指定色での塗装もいいのですが、こういった独自な解釈が上手くハマると塗装が好きになります。
ここまで結局、筆塗りでやってきました。これを購入してきた帰り道では「エアブラシで仕上げるかなぁ」なんて楽しみにしていたのですが、こうやって作ってきたなかでは「わざわざエアブラシを使わなくても」という思いも感じてます。作られると分かると思いますが、つるっとした部分は2号機の外装だけで筋肉のような部分は複雑なモールドが付けられています。厚く筆塗りをしてしまわないように注意して乾燥を待って重ね塗りをする手間を惜しまなければ筆塗りでも十分に塗装が可能です。
但し、私は一時は美術系の大学への進学を考えていたこともあり、以前より「絵を描くこと」が好きでした。働くようになってどんどん「絵を描くこと」をしなくなる半面、「ガンプラ作り」は今も日々の楽しみとして続けています。ガンプラにも指定色があり、エアブラシなどできれいに仕上げた際の喜びはあるのですが、「色を混ぜて理想の色を作ること」「筆で塗る楽しさ」も捨てがたいものです。
今回、作成するにあたって楽しみにしていたのは頭部の塗装でした。終わってしまいましたね。もう一度見直してみて、塗り漏れや塗装を加えてみたほうが良いところを見てみますが、あまり塗り過ぎてダメにしないようにしないと。それともう一つ楽しみにしていたのが制御棒です。背中のエントリープラグ収納箇所を取り付けた後、制御棒に取り掛かりたいと思います。
今回、製作してきた中で、やはり日々、プラモデル作りをしていないと塗装が難しいと思うし、塗料、溶剤、筆といった道具を買い揃えてからこのプラモデル製作をするのは難しいでしょうね。ガンダム作品でもプラモデルが販売されているのに「ロボット魂」などの完成品が販売されていることが多いです。金属パーツなどを使って別解釈で作られた完成品はそれはそれで価値がありますが、「プラモデル作りが出来る道具などを揃えていないこと」、「難しくて作るのを敬遠すること」を考えれば、完成品を欲しがる方がいるのも分かります。
さて制御棒ですが指定色としては「メタリックブルー」系になっています。ですが、今までアニメを見てきたなかでは「メタリックグリーン」だと思っていました。ここでも「色作り」を楽しみながら製作していきたいと思います。
エヴァレッドはただの赤色ではなく、深みがあって、しかも艶を残して乾燥してくれる塗料です。「アニメチックになるかな」と思っていましたが、塗装してみて「いい色だ。」と思いました。メタリックレッドなどの金属感を出した仕上がりにするのもいいですが、それは清水ゆうこさんが既にやってますね。また別の作品でそれをやってみてもいいかなと思います。
バンダイのEVA-FRAMEはお手軽な商品で、いろいろとジオラマを作ってきました。この2号機作りが終わりましたら、ここのサイトでそれらのジオラマを紹介していきたいと思います。
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